ーこのシリーズもあっという間に後編ですね!
博士、今日もよろしくお願いします!
博士:ん〜、スイカの美味しい季節になってきたなぁ。
果肉には、抗酸化作用のあるカロテンとリコピン、
利尿作用のあるカリウムも含まれているし夏バテ防止に
最高!ムシャシャシャシャシャシャ……!よろしく〜!!
ー(見事な志村食い!)前回まではフィトケミカルとは何か?
ということなどを聞いてきましたが、最終回では
フィトケミカルを効果的に摂るコツについてお聞きしたいです!
博士:お任せあれ!大きく2つに分けて説明しましょう。
1つは、フィトケミカルが多い野菜を選ぶという観点、
そしてもう1つがフィトケミカルを効率的に摂取できる
食べ方などについての観点です。
ーよろしくおねがいします!
博士:最近の研究で分かってきたことなのですが、
有機農法で栽培すると、フラボノイド、ポリフェノール、
アントシアニンなどのフィトケミカルが増えるという
報告が増えているんだ。
ー農薬を使うとフィトケミカルが増えないということですか?
博士:化学肥料や農薬は、野菜にとっては楽な環境で
育てられる方法なんです。有機農法のように虫や土壌菌などの
自然のストレスと戦いながら育つ野菜が、自らの身を守る
ためにフィトケミカルを作り出しているということなんだ!
―なるほど~。
博士:次にもう1つがフィトケミカルを効率的に摂取できる
食べ方だけど、カロテノイド類は、油に溶けることで
体内への吸収が良くなることが分かっているよ。
―へぇ、カロテノイド類はこれまでも名前が出てきましたね!
博士:カボチャやにんじんに多いカロテン、トマトに多いリコピン、
ほうれん草やケールに多いルテイン、パプリカに多いゼアキサンチン、
うんしゅうみかんに多いβクリプトキサンチンなどだね。
―どれも身近なものばかりですね。
博士:サラダで食べるときも、オリーブオイルなどと一緒に
食べたり、油で軽く炒めたりすることでカロテノイドの吸収は
良くなります!
―他にはどうですか?例えばよく耳にするポリフェノール類とか。
博士:ポリフェノール群は、あまり熱に強くないので、生か、
蒸したりがいいよ。意外と電子レンジ調理もポリフェノールが
壊れにくい調理法です。
ちなみにスープなどで調理した場合は煮汁に溶け出すので、
煮汁ごと食すとGOOD!
―鍋物とかも汁ごと食べられるから体に良いってよく聞きますもんね。
博士:その他では、イオウ化合物は、調理などで変化しやすく
揮発性が高いのですばやい調理が良いよ。
例えば、ニンニクのアリインは、刻むことでにんにく特有の
香りの成分アリシンに変化し、揮発していく。なので、
切った後はすばやく調理をするのがベターです。
ー前日に切っておく、ではなく調理の直前ってことですね。
博士:そう!あとは、ブロッコリーのスルフォラファンも、加熱すると
揮発して特有の温泉のようなにおい(イオウ臭)がして減少するしね。
―調理方法によってフィトケミカルの摂取の効率性が
変わるなんておもしろいですね!
博士:ちなみに最近の研究では、いつ摂取するかでも
変わってくることが分かってきたんだ。
―どんな研究なんですか?
博士:フィトケミカルなどの植物栄養素を食するタイミングに
よって、食後の酸化ストレスの抑制に影響を与えるか?を
世界中の研究を探索・レビューするという研究だよ。
―世界中の!
博士:集めたデータを総合的に判断した結果、1日のサイクルの
中でフィトケミカルの一時的な摂取は、食事とのタイミングが
重要である可能性があることが示唆されたんだ。
高脂肪、高炭水化物の食事と一緒に摂取されたフィトケミカルは、
血中のいくつかの酸化ストレスマーカーを有意に抑制したのです。
―酸化ストレスマーカーって何ですか?
博士:体の酸化具合を見られるものです。高脂肪、高炭水化物の
食事によって、さまざまな組織や細胞が酸化傾向になると
一時的に生成されるが、ポリフェノールやカロテノイドなどの
特定のフィトケミカルによって抑制されることが知られているよ。
―そのマーカーが食事と一緒に摂取されたフィトケミカルによって
抑制されたということですね。
博士:そのとおり!つまり、サプリメントなどでフィトケミカルを
食事の合間などに摂るよりも、食事中(特に高脂肪、高炭水化物食の時)に
フィトケミカルの豊富な野菜や果物を一緒に摂取することで、
体内の酸化を抑えることが明確なようです。
―何事もバランスですね。お肉や炭水化物と一緒に野菜や果実も
取り入れて、目にも体にも美味しい食事を楽しみたいと思います♪
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